7月初め、スッキリ半分ほど断捨離し、無事引っ越しました。ところが、他県をまたぐ転居手続きと仕事の移動で疲れ果てたのか、翌日から咽頭炎が悪化しました。
咳は出るのに声が出ません。光熱費などの確認電話を友人に頼む始末。振り絞ると声帯まで潰れそうな、人生初めての無声としゃがれ声が、1週間近く続きました。
拠点が決まると、次は移動手段です。車を運転しないため、これまでは徒歩と電車を利用していました。ところが、新居は私の足で駅まで15分以上かかり、手荷物が多い時は呼吸が荒くなります。
そこで、週3日の出張レッスンや買い物のために、悪天候の時はタクシー、普段は自転車にして、坂道で肺に負担がかからないように、電動アシスト自転車を購入することにしました。
7月半ば、猛暑続き、病み上がりのせいか、徒歩で買い物に行く(普通の難病患者は大人しくしています)ことさえ出来なくなり、タクシーで自転車屋に向かいました。30年ぶりの自転車、おまけに電動は初めてなので大丈夫かなぁ…と思いながら。
出迎えてくれたのは、背が高くてムキムキマンの店員さんでした。とにかく一番軽量タイプを選び、足が届くようにサドルを低く調整してもらいました。
いざ試運転と気合を入れて押すと、予想以上に重く、私の体力では無理な気がして、「普通の自転車に変えようか…」と呟きました。もちろんムキムキマンは引きません。電動は10倍の値段ですから。「絶対、電動がいいです」と断言し、軽々とその自転車を抱え上げ、試運転を誘導するのです。
まぁイイや。私が乗れなかったら諦めるだろうと思っていたら、すんなり乗れてしまいました。調子に乗った私は、片方のペダルを勢いよく踏み込みました。この瞬間、電動特有の加速が出て、興奮しすぎたのか「ヒェーー」と叫び、その鼻息で右鼻から血が吹き出たのです。
店に来る前、鼻をかみすぎて粘膜が弱っていたのでしょう。さすがにビビったのか、ムキムキマンはティッシュを箱ごと差し出し、「止まるまでゆっくりどうぞ」と、やけに優しくトイレに案内しました。
幸い鼻血はすぐ止まり、下見のつもりでしたが、ムキムキマンの圧を感じ、購入の契約をしました。すでにヤサグレる気力はありません。保証書や盗難防止のチェーンなどを完備したものの、その日は乗って帰る体力がなかったので、後日ムキムキマンに配達するよう指示しました。ふらつきながらも、最後はきっぱりキメるのです。自転車1台買うのにもひと騒動でした。何はともあれ、Welcome まりちん号!
※後日談
アフターサービスで、3年間はタイヤの空気入れや点検が無料です。初めて点検に行った時、ムキムキマンは「上手く乗れるようになりましたね」と言った後、思い出したのか、目がティッシュの箱を探していました。その後は、何事もなかったかのように、丁寧に対応してくれています。
~ めでたしめでたし ~
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