2024年11月18日(月)、市の生涯学習センターが主催する郷土史講座の現地研修に、英会話コミュニティのTさん(40代)と参加しました。Tさんは、4月に出会ったばかりの「新友」で、子育てしながら真摯に勉強する彼女を応援しつつ、高めあえる学びの友になりました。研修は見応えのあるコースで、2人共即決で参加を決めました。
当日は秋晴れ。ただ、この日私は気がかりなことがありました。1週間前から持病の逆流食道炎が悪化したため、移動中バス酔いするのでは…と不安がよぎっていたのです。聞けば、Tさんも私と同じ胃腸が弱く、睡眠不足もあり、バス酔いを心配していました。もしかして…虚弱コンビの危うい研修になるかもしれません。
8時40分に出発し、10時着予定で、北里柴三郎記念館(小国町)に向かいました。微かな紅葉を眺めながら山道に揺られていたら、ほら来た!早速、吐きそうになりました。ところが想定外、私より先にTさんがバス酔いし、一時下車したのです。女性のガイドさんが優しく介抱し、どなたかがTさんに酔い止めの薬を渡していました。私の方は、この時窓を開けて外気に触れたせいか、かろうじて持ち堪えました。
最前席に移動した私たちに、男性のガイドさんが車酔いに効く手のツボ(手首の近く・親指と人差し指の間)を教えてくれました。確かに、ツボを指圧すると安心します。車中を見渡せば、ほとんどが私より年上。郷土史を学ぶ位なので、みなさん意識が高く、全員集合時間前に待機しています。
余裕の年長者たちに囲まれ、酔わないように暗示をかけながら、ひたすらツボ押しする若輩虚弱コンビでした。
北里柴三郎記念館での撮影スポットは、千円札の原画となった肖像画です。ガイドさんが笑えるほど口を酸っぱくして勧めてくれました。昼食は、昔ながらの秘伝の豆腐が売りの「岡本とうふ店」で、定食を頂きました。まろやかな味の柚子胡椒が絶品で、お土産に買って帰りました。
午後は、江戸時代の私塾・咸宜園跡(日田市)見学しました。咸宜とは「すべてのことがよろしい」という意味です。創設者の廣瀬淡窓先生について全く無知なまま肖像画を拝見した時、この方は病弱だと察知しました。すると、ガイドさんから「漢詩人だった淡窓先生は、18歳の時、結核や胃腸を患った事で、人財育成する教育の道を決意した」と説明がありました。
※猫に似たシルエットは、遠思楼(図書室)の壁に写った染みです。ホラ~ではありません。
淡窓先生の「敬天積善」「始終一貫」という在り方、「鋭きも鈍きもともに捨て難し」「人材を教育するのは善の大なるものなり」という志にシビレました。なるほど、門下生たちはそうそうたる顔ぶれ。私が理想とする教育が、江戸時代ここで実現していたのです。
まだまだ発展途上の私に、Tさんは、「〇〇(私の名字)先生と同じだわー」と恐れ多いことを言ってくれます。私でもあと4年、目標の半世紀続ければ、一人前の教師になれるでしょうか。知識をひけらかすだけでは辿り着けない境地です。
帰りの車中、虚弱から本来の英会話コンビに戻った二人は、次回カナダ人の先生がどんなトピックを持ってくるか予想していました。時節柄「Thanksgiving(感謝祭)」に的を絞りましたが、大外れ。なぁ~んと「First kiss」でした。これだから、学びは面白いのです。
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